ども、今村です。
現在工事が進んでいる天水の家では外壁に杉板を使用しています。
今回は工事の様子を紹介していきます。
外壁を杉板で仕上げる方法としては、近年では珍しいやり方です。
今回使用する杉板は県産材ある小国杉です。
小国杉はピンク系のきれいな色で、艶のある表情が特徴です。
地熱を利用した中温乾燥機で乾燥しているので粘りもあります。
杉板の幅は150mm、100mm、60mmと3種類を使用します。
厚みは20mmで溝の深さや幅など特別にオーダーで作ってもらいました。
まずは1回目の塗装します。
劣化から守るため防腐、防虫効果のある塗料です。
表、裏、小口と全面塗装したら乾かします。
風通しのいいように桟木をきって並べます。
このあとはいよいよ張っていきます。
3種類の幅がある杉板は張る順番をパターン化しています。
横から見るとこんな感じ。
通気胴縁を使用しているので空気の流れは確保しています。
杉板の止め方としては、真鍮(しんちゅう)釘を使用しました。
真鍮釘は空気に触れることで酸化し黒っぽくなります。
杉板、釘共に経年変化で味わいが増していきます。
ステンレスの釘だと風化せずピカピカのままなので、
長期な目線で考えると真鍮釘の方が合うかなとということで採用しました。
一本ものを上から下まで継ぎ足すことなく張っていきます。
そこまで計算して屋根の高さなど割り出しています。
通気胴縁工法なので壁と壁の間の空気は上部から排気します。
専用の通気金物を取付けます。
通気をしっかりとしてあげることで建物の耐久性も向上します。
水切りは付けずに地面付近まで張り下げます。
そうすることで完成した時の見た目が一体化したような見え方になります。
この作業を繰り返し続けていきます。
大工さんは大変な作業です。
張り終えると2回目の塗装をしていきます。
窓を養生して汚れないようにします。
このあとは足場を解体していきます。
そして出来上がったのがこちらです。
軒が無いので色ムラがでず同じように経年変化していきます。
軒が無いということは雨漏りリスクも最大化します。
今回は承知の上で施工したので、防水に関しては徹底的に対処しています。
そして杉板外壁のお手入れとしては定期的に塗装がやはり必要になります。
時間が経つとともに風合いは変化し、味わい深くなります。
手入れは必要になりますが手間も楽しむ家となっています。
汗をかいてメンテナンスし、家族と家ともに成長する暮らしもいかがでしょうか。
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